「讃岐舎」プランの考え方
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■■小さな家がいい■■

日本の家屋は、長年「ウサギ小屋」コンプレックスに悩まされ続けました。豊かになった日本が、唯一先進国に遅れているのは住環境の悪さだと・・。日本の家は「ウサギ小屋」のように狭くて、その狭さが貧しい住生活を我々に強いていると言われました。私たちはそれを信じてやみくもに家の広さを追求してこなかったでしょうか?その結果はどうでしょう。今、日本の住居の平均面積はアメリカよりは小さいですが、ヨ−ロッパ各国よりは広くなってしまったのです。それでは日本の住宅はヨ−ロッパに追いついたのでしょうか、それとも追い越したのでしょうか。答えはおわかりですよね。そう、日本の住宅文化は規模(広さ)を追いかけ始めたときから悪化の一途をたどっているんです。個室化による家族の崩壊、エアコンの普及が季節感を喪失させ、大量生産という名目が生んだ薄っぺらな材料、そしてそれらがもたらしたシックハウス症候群、・・。

国際的という名の下の間違った西洋化。ヨ−ロッパの「家」は日本よりも遙かに家族の団らんができる「家」です。今、私たちがヨ−ロッパから学ぶことは、形式的なスタイルではなく、自分達の文化に誇りを持つこと、自分達の国を理解することではないでしょうか。「本当の国際化、それは日本人が日本を勉強すること、そこから始まります。」どこかのTVCMにありましたが、ほんとうにそう思います。

今、私たちはほんとうの豊かさを真剣に考えなければならないのではないでしょうか?大きな家に住むことで他人の羨望を買うことが豊かさではありません。「小さな家」でいいんです。いや、「小さな家」がいいんです。でもそれは本物の家でなければなりません。「本物の家」・・それを求めて「小さな家」を提唱します。

■■風を感じる家■■

春のさわやかな風、夏の木陰を通り過ぎる風、秋の気配を感じる風・・経験ありますよね。でも、今風を感じる一瞬ってありますか?車での移動、エアコンの効いた部屋で一日中過ごしているとそんな触感が鈍ってしまいますね。「讃岐舎」は「風を感じる家」でありたいと思います。

香川の夏は海からの風が吹きます。西讃は西からも吹きます。夏の風を住宅に取り入れる工夫を徹底的にやってみます。でもそれって特別難しいことではないんです。南北に風の通り道のあるプラン、意識的にそうすることでかなり違います。少し犠牲にするところがあるかも知れません。でも間取りにパ−フェクトはありません。どこに重きを置くか、その連続が「間取り」だと思うんです。「風」を少し意識して大切にしてみませんか。「日本の夏」を楽しめると思います。

 窓の計画・・北側、西側に風を導く窓をできるだけ取りましょう
 
 間取りの基本
・・南北に風の抜ける間取りにすること、特に寝室は夏でもエアコンなしで寝られること、これ基本です。
 
 窓の形状
・・窓はできるだけ「引き違い窓」にしましょう。「引き違い」は日本の文化です。梅雨時の通風や網戸の ことを考えるとやはり「引き違い」ではないでしょうか。少し外観デザインを犠牲にしてもこだわりたい部分です。
 
 越屋根
・・必殺技は「越屋根」です。コンセプトで説明したように「越屋根」は讃岐の伝統的建築要素であるとと もに風をつくりだす装置でもあります。屋根に上昇気流が発生することで驚くほど風が抜けます。風を 取り込む先人の知恵ですね。
 
 屋根断熱
・・屋根の断熱がものを言います。夏の熱気は屋根からの輻射熱によるところが大です。「讃岐の舎」では15cmの断熱材で熱気をシャットアウトします。昔の茅葺き屋根まではいかなくとも夏でもひんやりした 室内を実現したいですね。